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株式会社ミロク情報サービス

「経営者の創造力を刺激し経理部門のこれからを変える新コンセプトのERP」

 2006年 WEDGE 2月号掲載

顧客ニーズが多様化し、市場の変化が激しさを増している今、経営指標の可視化と評価が企業経営の大きな課題となっている。財務管理指標を業務別、地域別、商品別といった評価軸を組み合わせてみることで、「経営の生産性」を評価し、改善していくことが求められているのだ。ミロク情報サービスは、これまで培った財務会計パッケージシステム開発のノウハウを活かし、導入期間の短い、コストパフォーマンスに優れたERPパッケージ「Galileopt(ガリレオプト)」を2005年10月に発表した。企業の「今」を可視化し、経営の最適化を図ることができるだけでなく、今後の経理部門の果たす役割まで変えていく。

財務会計システムのノウハウを核にしたERPパッケージ

今回取り上げる「ガリレオプト」は、財務・会計パッケージとして定評あるMJSLINKシリーズが、より大規模な企業のニーズに応えるべく進化した「経営の最適化創造ツール」だ。「ガリレオプトを市場に投入した狙いの一つは、新たな市場開拓です。従来のMJSLINKシリーズの顧客層は、売上100億円以下の企業が中心でしたが、ガリレオプトは100億円から500億円規模の中堅企業を狙った戦略商品です。そしてもう一つの狙いは、このERPパッケージによって既存のMJSLINKユーザー企業のステップアップをサポートすることにあります」(ミロク情報サービス代表取締役社長 是枝周樹氏)。ガリレオプトは、MJSLINKシリーズで培ったノウハウを活かしたバックオフィスシステムをコアとして、ワークフロー、データ分析のフロントエンジン、データウェアハウス(DWH)をトータルで提供するERPパッケージだ。財務会計のプロとしての立場から、経営者が真に求める機能と現場の担当者の使い易さを両立している。これらを支えるデータベースエンジンが、アイエニウェアの「SQL Anywhere Studio」である。

会社の「今」を数字で見せるBI機能とポータル機能

ガリレオプトの特徴の一つとして、経営指標をリアルタイムに集計し、さまざまな視点で分析できるBI(ビジネスインテリジェンス)機能がある。「日々の営業活動を通じて感じるのは、経営者は常に“今”の数字を求めているということ」と、東京第二支社 支社長の坂本匠氏は語る。従来の会計システムでは、前月の数字が出てくるまでに締め日から数日要していたが、ビジネスのスピードが加速している今、数日間も待っていては的確な意思決定はできない。ガリレオプトは、現場から日々入力されるトランザクションデータがリアルタイムにDWHに蓄積される。定型帳票の他にオリジナル帳票作成ができるほか、取り出したデータをOLAP分析で自由に帳票やグラフに加工できる。まさにこの瞬間、P/LやB/Sといった経営指標がどうなっているかがわかり、それによって将来のシミュレーションが可能となる。激変する市場環境では、現状をいかに素早く把握するかがビジネスの勝利のカギだ。二つ目は、パソコン起動時に最初にアクセスする画面(ポータル画面)に、ワークフローや社内の経営情報を同一画面で表示させる「ポータル機能」である。ポータルに表示する内容(ポートレット)は一括管理でき、部門や役職ごとのアクセス制限も可能、セキュリティー面も十分に考慮されている。「例えば私の場合も、部下に数字を意識しろと言っても、見ているのはせいぜい売上総利益まで。経営管理の視点で本当に重要なのは経費、人件費まで含めた営業利益ですが、いつでも見られる仕組みがなくては関心は薄れがちです。ポータル機能は数字を『見せる』仕組みなのです」(坂本氏)。そして三つ目の特徴は、業務システムと一体化した「ワークフロー機能」である。日々の経費精算や各種伝票類の入力は、社員が各自で行う。入力された伝票データはそのままワークフローシステムで回覧・承認され、経理部門に届く。仕訳作業はシステムが自動的に実行するので、経理での再入力の必要はない。ワークフロー機能にはポータル画面からアクセスするので、紙の伝票でありがちなチェック漏れによる処理の遅れなどの事故もない。入力画面や承認画面は紙の伝票のイメージそのままなので、システムに不慣れな人にも抵抗なく利用できる。

最新技術の採用でTCO削減とスムーズな入力を両立

ガリレオプトは完全にWebベースのシステムなので、機能追加などはサーバー側で一元的に対応できる。クライアントPCの増設や入れ替えにも、再インストールや設定などの手間も不要だ。従来のクライアント/サーバー型システムに比べて大幅にTCOを削減できる。一方で、Webベースのシステムにはクライアント/サーバー型システムに比べてレスポンスが遅いという欠点がある。ガリレオプトでは、マイクロソフトのスマート・クライアント技術を採用し、Webアプリケーションの「操作面のストレス」を排除した。「他社製品より後発のソリューションだからこそ、最新技術で欠点を克服できました」(是枝社長)。さらに、「データ分析とデータ入力では、ユーザーインターフェイスに求められるものが異なります」と是枝社長は続ける。データ分析では、フォームを使った検索条件入力、選択、マウスを使ったドラッグアンドドロップなど、画面を見ながら対話するような非定型の操作が多い。速さや手数の少なさよりも、わかりやすいインターフェイスが求められる。反対にデータ入力では、定型のフォーマットに数字を速く正確に入力することが重要だ。最低限のテンキーとエンターキーの操作だけで順番に入力フィールドを埋めて行ける形が望ましく、それに対するレスポンスも文字通り「打てば響く」速さが求められる。レスポンスの遅れは、生産性の低下に直結してしまう。このような入力システムへのこだわりは、MJSLINKシリーズを通じて企業の経理業務の現場を熟知しているからこそできることであり、他のERPシステムにはない、ガリレオプトの強みでもある。システムの動作環境は、サーバーはWindows 2003、クライアントはWindows XP。サーバーはDBサーバー、アプリケーションサーバーの2台構成が基本だ。サーバーを増設して負荷分散することで大規模な運用にも対応可能でありながら、他社のERPパッケージよりも低価格から導入できる。また、カスタマイズがほとんど不要で、3.9ヶ月という短期間で本稼動できるのも大きな特徴だ。

これからの経理の役割は経営を動かす情報の提供

「経理部門が担う役割は大きく変化していくと考えています」と是枝社長は語る。日々のビジネスの中で発生する経費などの仕訳、記帳、入力が経理の主な仕事だった時代は終わりつつある。こうした数字の入力を現場で処理させることによって、経理の負担は大幅に削減できる。「その結果得られる時間を効率的に活用し、経営に寄与する経理情報の提供を通じて経営者の迅速な意思決定をサポートすることが、新しい時代の経理部門の役割です」(是枝社長)。即ち、これからの経理部門は「経営者のブレーン」として機能することが求められるのだ。昨年11月のガリレオプト発表以来、新規顧客からの問い合わせの質も変わってきているという。「MJSLINKシリーズでは財務・経理部門の方と商談することが多かったのですが、ガリレオプトでは経営層の方と直接お話させていただくことが増えています」(坂本氏)。一部上場企業など、当初の想定以上の大規模企業からの引き合いも増えており、確かな手応えを感じている。財務会計のプロからスピード時代の経営改革のパートナーへ、成長するミロク情報サービスのシステムをアイエニウェアが支えている。


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全国の会計事務所とその顧問先を含む企業を主なダーゲットとして、経営情報システムおよび各種ソリューションを提供する。主力製品として、会計事務所向け統合システム「ACELINK Naviシリーズ」、企業向け統合システム「MJSLINKシリーズ」などがある。また、会計事務所向けポータルサイト「TVS」や、一般企業向けビジネスポータル「海」など、コンテンツ提供にも注力している。